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国民健康保険ってどうするの?一人暮らしで迷わない国民健康保険講座

一人暮らしを始めると避けて通れないのが、健康保険の切り替えや加入手続きです。
「なんとなく親に任せていた」という人も、いざ自分で手続きとなると不安を感じるもの。

この記事では、国民健康保険の仕組み・手続きの流れ・注意点を、一人暮らしの初心者向けにわかりやすく解説します。


1. 国民健康保険とは?

国民健康保険(以下、国保)は、会社などの「健康保険(社会保険)」に加入していない人が入るべき公的医療保険制度です。
医療費の一部負担(自己負担3割)で病院にかかることができ、万が一の病気やケガの備えとして欠かせません。


▶ 誰が加入するの?

以下のようなケースの人は、国民健康保険に自分で加入する必要があります。

✅ 会社などに勤めていない人

  • 自営業・フリーランス
  • アルバイト・パートなどで勤務時間が短く社会保険の対象外の人
  • フリーターや無職の人

🔍【補足】
アルバイトやパートでも、一定の条件(週20時間以上、月収88,000円以上など)を満たすと、勤務先の健康保険(社会保険)に加入することになります。

✅ 学生で親の扶養から外れた人

多くの学生は「親の健康保険の被扶養者」としてカバーされます。
親からの仕送りで生活したりして、自分で仕事をして生活しているのでなければ基本的に親の社会保険の対象となります。
自分の保険証や資格確認書に親の名前が入っている場合はこのケースに該当します。

ですが、親の扶養から外れた場合は、自分で国保に加入する必要があります。

🔍【補足】
22歳までは「被扶養者」でいられるケースが多いですが、親の所得や加入保険の内容により異なるため、保険組合に確認が必要です。

✅ 会社を退職した人

就職して社会保険に入っていたが、退職によって資格喪失した場合は、国保に切り替える必要があります。
次の勤務先が決まれば、そこから再度社会保険に戻ることができます。

🔍【補足】
社会保険を任意継続する(最大2年)という選択肢もありますが、原則は退職後14日以内に国保へ加入です。

✅ 外国籍の方で長期在留する人(在留期間3か月超)

留学生やワーキングホリデーの方など、日本に中長期滞在する人も対象です。


▶ 加入が不要な人(例外)

  • 会社員(社会保険の被保険者)
  • 社会保険の被扶養者としてカバーされている人(家族の保険証を使っている人)

このように、「国保に加入が必要かどうか」は、現在どの保険制度に属しているか、扶養に入っているかどうかで決まります。
「自分がどのケースにあたるか」を確認することで、手続きの必要性がはっきりします。


2. 加入・切り替えが必要なタイミング

以下のタイミングで国保の手続きが必要です。

✅ ① 会社を退職したとき

社会保険を失ったら14日以内に国保へ加入が必要となります。
任意継続も選択肢に挙がりますが、どちらがいいかはしっかりと比較する必要があります。

✅ ② 扶養を外れたとき

アルバイトの勤務時間が一定以上になるなどすると、親の扶養から外れてしまいます。
保険証が使えなくなる可能性があるため、親と事前に確認をしましょう。

✅ ③ 社会保険に未加入のアルバイト・フリーターになったとき

週の労働時間や収入が社会保険の基準を満たさない場合は、自分で国保に加入する必要があります。

✅ ④ 引っ越し(市区町村をまたぐ)

国保は市区町村単位での加入です。
引っ越しで市区町村が変わる場合には、住んでいた市区町村で脱退の手続きを行い、引っ越し先で再加入が必要となります。
転出届や転入届の手続きと同時に済ませてしまいましょう。

✅ ⑤ 社会保険に新たに加入したとき

再就職などで社会保険に加入する場合、国民健康保険から脱退する必要があります。
脱退手続きを忘れずに行いましょう。


3. 手続きの方法と必要なもの

▶ 手続き場所

  • 住民登録している市区町村の役所(保険年金課など)

▶ 必要なもの

  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
  • 社会保険をやめた証明書(資格喪失証明書、退職証明書など)
  • 印鑑(自治体によっては不要)

▶ 申請の期限

  • 資格喪失日・転入日から14日以内
  • 過ぎると遡って請求される場合があるので要注意

4. 保険料の仕組みと支払い方法

▶ 保険料の決まり方

  • 所得割:前年の所得に応じて課税
  • 均等割:加入者1人ごとにかかる基本料金
  • 平等割:1世帯あたりの固定費

※ 無収入でも均等割・平等割がかかるため、ゼロにはなりません。

▶ 減免制度

失業した場合などは、保険料の軽減措置があります。

国保への切替もそうですが、必ず申請が必要となります。
役所の窓口に出向いて相談しましょう。

▶ 支払い方法

  • 納付書(コンビニ・銀行等)
  • 口座振替
  • クレジットカード・電子決済対応の自治体もあり

5. 一人暮らしでの注意点

  • 二重加入・無保険を避けるため、保険証の有効性を確認する
  • 学生でも扶養から外れれば加入が必要な場合がある
  • 引っ越しや就職時は「加入/脱退」どちらも忘れずに
  • 減免・分割納付の制度は利用できるので無理せず相談を
  • 保険証が手元に届く前の診療費は、後から払い戻し可能(領収書必須)

6. よくある質問(Q&A)

Q. 学生でも国保に入らなきゃいけない?
→ 親の扶養に入っていれば不要ですが、扶養から外れたら加入が必要です。
  目安は週に20時間以上働くことで親の扶養から外れることになります。

Q. 退職後すぐ病院に行ったら、保険証がないけどどうする?
→ 社会保険でも同じですが、忘れてしまった場合など手元に保険証が無い場合は全額自己負担で一度支払うことになります。
  後から療養費請求すれば返金されますので、必ず手続きを行いましょう。(領収書と診療明細が必要)

Q. 無収入でも保険料はかかるの?
→ かかります。ただし、失業したばかりなど収入が少なければ減免申請で軽減可能。

Q. 社会保険に入ったら自動で国保は解約になる?
→ いいえ。自分で脱退手続きが必要です。


まとめ

一人暮らしの国民健康保険の手続きは、難しく感じても、流れを知っていれば大丈夫。

  • 自分が加入すべき保険を正しく把握
  • タイミングごとの対応を理解
  • 役所の窓口で不安な点は相談する

医療費を安心してカバーできるように、必要な保険にはきちんと加入しておきましょう。

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