災害はいつ起こるかわかりません。特に一人暮らしの場合、いざというときに頼れる人が少ないことが多いです。そのためすべてを自分で対応しなければならない状況になる可能性があります。
突然の停電や断水、避難が必要になったときに、「備えておけばよかった…」 と後悔しないために、今からできる防災対策を始めましょう。
この記事では、一人暮らしに必要な防災対策や、最低限揃えておくべき必需品について詳しく解説します。
まずは、一人暮らしの防災対策がなぜ重要なのかを見ていきましょう。
はじめに:一人暮らしだからこそ防災対策が大切!
なぜ一人暮らしの防災対策が重要なのか

日本は地震や台風などの自然災害が多い国です。特に一人暮らしをしている人は、家族と離れて生活しているため、災害時に頼れる人が少なく、自分の身を自分で守る必要があります。また、突然の災害でライフラインが止まった場合、誰かが助けてくれるまでに時間がかかることも考えられます。そのため、事前の備えがとても大切です。
一人暮らしの防災対策では、
- 最低限の備蓄品を確保すること
- 災害時に適切な行動ができるように準備しておくこと
- いざというときに連絡を取れる手段を確保すること
が重要になります。
いざという時、頼れるのは自分自身のみ…
数日耐えれば支援を受けられる可能性も上がるため、まずは3日耐えられることを目指して備えましょう!
いざというときの「助けが来るまでの備え」
災害発生後、自治体や救助隊が支援に来るまでに時間がかかる場合があります。
その間を生き延びるために、最低でも3日分(できれば1週間分)の備蓄が必要です。
また、
- 停電や断水に備えて水や食料、懐中電灯、モバイルバッテリーを準備する
- 避難所での生活を考えて衛生用品や簡易トイレを用意しておく
- 重要な情報を得るためにラジオやスマホの充電手段を確保する
といった対策も考えておくべきポイントです。
次の章では、最低限そろえておきたい防災グッズについて詳しく紹介します。
最低限そろえたい防災グッズリスト
災害時には、最低限の備えが生死を分けることもあります。
一人暮らしでも無理なくそろえられる、基本的な防災グッズを紹介します。
【水・食料】最低3日分の備蓄を!

災害時には、周辺の店で水や食料を手に入れることも難しくなります。場合によっては自宅から外に出られなくなるケースも。
救助を待つ間をしのぐためにも、3日分程度の飲料水と食料は確保しておきたいところ。
飲料水は1日一人2~3リットル程度が目安です。
- 飲料水(ペットボトルのものを必要分だけ)
- レトルト食品・缶詰・インスタント食品(火を使わなくていいものが望ましい)
- 乾パン・チョコレートなど(いざという時すぐに摂取できるもの)
飲料水やレトルト食品の中でも、意外と賞味期限が短いものも販売されています。
防災対策として用意する場合、賞味期限が長いものを選んでおくと安心です。
【ライト・電源】停電時に必要なアイテム


災害時には停電も発生する可能性が高いです。夜に停電が起こると周りが見えなくなるため、明かりの確保は非常に重要です。
懐中電灯やランタンなど、周りを照らせるアイテムがあると停電時でも不安が減ります。
モバイルバッテリーがあれば、携帯電話をライト代わりに使う余裕が出てきます。スマホの電源確保という点でもおすすめです。
- 懐中電灯・ランタン(電池式/充電式)
- モバイルバッテリー
地震は何時に来るか分かりません。
深夜に発生する可能性も高いので、暗い時でも対処できるようにしておく必要があります。
【衛生用品】災害時に役立つ清潔グッズ


災害時には衛生面にも気を配る必要があります。ケガや感染症などが命にかかわるケースも珍しくありません。
断水が発生している場合も想定して、水なしで使えるものを揃えておくのがおすすめです。
- マスク・ウェットティッシュ・アルコール消毒液
- 簡易トイレ、携帯トイレ(ポータブルトイレや凝固剤付きのもの)
- 歯磨きシート・マウスウォッシュ・ドライシャンプー
【情報収集】ラジオ・スマホ充電の備え


災害時には情報を集めるのも難しくなります。複数の手段で情報収集できれば安心です。
- 防災アプリのインストール(特務機関NERV防災アプリ、Yahoo!防災速報など)
- 手回しラジオ・防災ラジオ(スマホが使えなくなったときの情報源)
メガネ・常備薬・生理用品などの個別必需品


人によって必要かどうかが変わるものは、どうしても準備から漏れがちになります。自分に必要なものは忘れずに準備を。
- メガネ(買い替え時に古いメガネを残しておくと無駄がありません)
- 持病の薬、生理用品など(災害時は薬などの入手も困難になります)
【防寒・避難用具】緊急時に身を守るアイテム

いざという時に自分の身を守るため、寒さ対策や移動しやすい準備もしておきましょう。
- 防寒シート・アルミブランケット(夜や冬場の寒さをしのぐため)
- 手袋・雨具・帽子(天候に応じて)
- 扇子・冷感グッズ(夏場の過酷な暑さ対策)
プラスαで用意しておくと安心なアイテム
貴重品・身分証などの予備

非常時にも免許証や保険証(マイナンバーカード)を持ち出せるのが一番ですが、免許証のコピーや保険証の資格確認書などを防災グッズに入れておくと万が一のときも安心です。
- 運転免許証のコピー
- 保険証の資格確認書
予備の衣類や靴

災害時には服を洗うのも難しくなるため、予備の衣類がストックされていると少し安心です。
避難時に持っていくのは難しいでしょうが、自宅で過ごすのであれば邪魔になることは少ないでしょう。
もちろんため込みすぎて日常生活に影響が出るのは避けた方がいいですが…
- 非常時用の衣類
- 運動靴やスリッパ
エンタメ・気分転換できるアイテム

被災生活が続くと、どうしてもストレスがかかり続ける生活に疲弊してしまいます。
ちょっとした気分転換ができるだけでも、被災生活の質はかなりマシになります。
- トランプ、花札などのテーブルゲーム
- ポータブルゲーム機
- 本や筆記具
防災リュック

ある程度の防災グッズをリュックに入れた状態で保管しておくことで、避難が必要な時にもすぐに動き出せます。
避難所まで持っていくことを想定して、少しの水や食料と避難先で使用するものをまとめておきましょう。
- 水や食料(1~1.5日分を目安に)
- 常備薬、衛生用品
- 懐中電灯やライト
避難に備えて、防災リュックの中身を使うのは後回しにしましょう。
自宅にいるうちは自宅のストックを使い、そこから避難したあとなどにリュックの中身を使うといいでしょう。
防災グッズを普段の生活に取り入れるコツ
ローテーション備蓄で無駄なく管理(ローリングストック)

災害時にも使用できる食料や日用品を普段の生活で使用しながら、減らした分を常に補充していく備蓄方法です。
非常時にもある程度の食品が残っている状態にできるだけでなく、ストックを使わなさ過ぎて賞味期限を迎えてしまう問題も回避できます。
- インスタント食品やレトルト食品、缶詰などをストックしておき、古いものから少しずつ食べて補充してを繰り返します。
- ペットボトルの飲料水を備蓄しておき、定期的に消費と補充を行うことで賞味期限切れを避けられます。
ローリングストックを採用していれば、賞味期限が比較的短いものも防災グッズに取り入れられるようになります。
好きな缶詰やレトルト食品があるのなら、それを多めに買って非常用のストックにするといいですよ。
災害時に使えるグッズをすぐ手に取れる場所に置くようにする

災害は前触れもなく突然やってきます。
防災グッズはすぐに持ち出せるようにしておかないと、いざという時に使えないという事態に陥ってしまいます。
- 避難リュックは玄関やベッドのそばなど、すぐ手に取れる場所に保管しましょう。
- 懐中電灯やモバイルバッテリーは夜間の停電時でもすぐ使えるよう、寝室などに用意していると安心です。
- 日常生活と非常時の両方を考慮して、衛生用品は何か所か使いやすい場所に分散しておくと便利です。
普段の防災グッズとは別の場所に保管しておいてもOKです。
防災グッズの保管場所が崩れて取れなくなる可能性に備えて、複数個所に保管する意味でも効果があります。
通常は避難する時に必要となるため、玄関周りに置くのがおすすめです。
普段から災害時の行動をシミュレーションする

いざという時にも冷静に行動できるよう、普段から避難ルートや防災グッズの使い方を確認しておきましょう。
- 最寄りの避難所を事前に調べて、実際に歩いてみましょう。普段の散歩ルートに取り入れるのもいいでしょう。
- モバイルバッテリーは平常時でも使用と充電を繰り返し、普段から充電されている状態にキープしておきましょう。
- 非常食の試食や携帯トイレの試用を経験しておくと、災害時にもスムーズに対応できます。
普段使いしながら備える「フェーズフリー」な考え方

「災害時用」というくくりで防災セットを揃えるのではなく、普段から利用しているものやサービスが非常時でも使えるようにする考え方です。
例えば卓上ガスコンロや蓄光型の照明器具が対象になります。キャンプ好きな方であれば、寝袋などのキャンプ用品を日常生活でも使うという方法があります。
もしかしたらモバイルバッテリーも、外出時(平常時)と災害時のどちらも使えるのでフェーズフリーの考え方に近いかもしれません。
非常用の備えだと日常には使えずコストがかかってしまいますが、フェーズフリーの考えなら非常時に備えつつ普段の生活にも活用が可能です。
先ほど紹介した「ローリングストック」もフェーズフリーの考え方に基づいたものとなっています。
モバイルバッテリーを普段使いして、寝る時に充電しておく。
これだけでもフェーズフリーに近い使い方ができます。
一人暮らしの防災マニュアル:災害発生時の行動リスト

災害が発生した際に、冷静に行動するためには、事前のシミュレーションと準備が重要です。
ここでは、地震や台風などの災害ごとに適切な行動リストを紹介します。
事前の準備と正しい行動で、災害時のリスクを減らすことができます。普段から意識しながら備えておきましょう。
台風・豪雨が近づいてきたときの行動

- 天気予報を確認:事前に台風の進路や警報を確認し、避難の準備をします。
- 窓やドアの補強:飛来物による被害を防ぐため、ガラスに飛散防止フィルムを貼っておいたり、雨戸やカーテンを閉めるなどの対策を行います。
- 前もって避難する:大きな被害が予想され、事前に避難所が開設される場合は、災害発生前に避難しておくことも重要です。
ニュースなどで台風の接近などが報道されているなら、その時点で早めに備えをしておきましょう。
地震発生時の行動

- 身の安全を確保する:揺れを感じたら、机の下に隠れるなどして頭を守りましょう。
- 火の元を確認する:揺れが収まったら、火の始末をして火災を防ぎます。
- 避難ルートを確保する:ドアを開けて出口を確保し、外に出る準備をします。
- 情報を収集する:テレビやラジオ、防災アプリを活用して状況を把握します。
あとから余震が発生する可能性もかなり高いです。
いつ2回目以降の地震が来てもいいように対策していくことが重要です。
停電・断水時の行動

- 懐中電灯やランタンを準備:停電時に明かりを確保できるよう、すぐに使える場所に準備しておきましょう。
- 水を確保する:断水に備えて、日頃から飲料水をストックしておきます。
- 冷蔵庫の開閉を控える:停電時に食料を長持ちさせるため、なるべく開閉を控えましょう。
避難が必要な場合の行動

- 避難先を確認する:最寄りの避難所などの状況を確認して、避難所へ避難しても問題ないかを確認します。
- ブレーカーを落とす:停電している場合、避難中に停電から復旧して電気火災が発生する可能性もあります。被害が大きい場合はブレーカーを落としてから避難しましょう。
- 安全を第一に行動する:無理に避難せず、周囲の状況をよく確認して行動しましょう。
まとめ:今日からできる防災準備
災害はいつ発生するかわかりません。しかし、日ごろからしっかりと備えておけば、いざというときに落ち着いて対応し、被害を最小限に抑えることができます。
防災対策のポイントをおさらいしましょう。
- 最低限の防災グッズをそろえる:水・食料・衛生用品・情報収集ツールなどを準備する。
- 普段の生活に防災を取り入れる:ローリングストックを活用し、常に使いながら備蓄する。
- 災害時の行動をシミュレーションする:避難ルートや避難所の確認を行い、災害発生時に冷静に動けるようにする。
- 防災グッズを定期的に点検する:賞味期限や電池の状態をチェックし、常に使える状態を維持する。
防災対策は、一度準備すれば終わりではなく、「続けること」が大切です。日々の生活の中で少しずつ取り入れ、無理なく習慣化していきましょう。
「いざというとき」に困らないように、今日からできることを始めてみてください!